講師インタビュー/過去生


過去生

リーラ

■ガタサンサ: 過去世を思い出すことは何を与えてくれるのでしょうか?

●リーラ: 自分の過去世を思い出すことによって新しい自由が手に入ります。過去のいくつもの転生で蓄積してきた制限やものごとの古いやり方から解放されます。
また自分の過去を思い出すことによって、自分の経験すべてを通じて得られた智慧と再びつながります。それはあなたがこの瞬間にいることを、そして新しいものに対処しながら、今も価値ある過去の遺産を持つことを助けてくれます。

■ガタサンサ: カルマとは何かを説明していただけますか? カルマはしばしば褒美や罰の一形態のように見なされるようです。それは本当にそうなのでしょうか?

●リーラ: 表面上は、カルマは褒美や罰の形式のように見えます。人生で悪いこと、貧困、病気、苦しみ、不幸などが起こると、それは前世で犯した悪い行いのせいだと考えられています。もし自分に成功、名声、富み、権力、愛といった良いことが起こると、それは過去世で良いことを行ったためだと考えられています。

より深く見てみると、カルマという概念は単に人生が反復していることを示しているに過ぎないことがわかります。カルマとは私たちの個人史を表すもうひとつの言葉です。個々の人間は、過去生のすべての体験と、私たちが動物だったときさらには植物であったときまで遡る進化を鎖を含む記憶を担っています。

私たちの観点では、カルマの法則が説明しているのは人生には何度も何度もくり返されている基本パターンが潜在しているということです。これらのパターンはくり返される態度方法であり、それが制限的であったり、思考やネガティヴな感情の狭い道であったりします。重要なことは、自分の精神的また感情的状態が私たちの人生で起こることに強い影響力を持っていることです。

■ガタサンサ: その人の過去が現在の人生に影響を及ぼしているどなたかの例を挙げていただけますか?

●リーラ: 分かりました。私がコーチングしていた日本人のクライアントで、自分を信頼できずに自分自身の表現を差し控えて、いつも人々と距離を置いている女性がいました。職場では、彼女はだいたい自分の提案は遠慮し、何かの問題が議論されているときは自分の考えを口にしませんでした。自分の感じを表現するときも、本来の才能や能力を包み隠す感じでした。深く入ってみると、もし自分が才能を表現したら傷つけられたり笑い者にされる、という恐怖があることに彼女は気づきました。恐怖の感じの他にも、人々が自分をジャッジするに違いないとか、さらには自分を傷つけたり裏切ったりするに違いないという不合理な考えを彼女は持っていました。彼女は自分はいい仕事ができる能力や技能を持っていると認めることはできました。同僚もしばしば彼女に意見を求め、彼女にも仲間が本当に自分の寄与を求めているように思えました。しかしそれでもなお、彼女には不合理な恐怖があって、それが彼女を押しとどめました。

何か過去世からの感情的な心理パターンがくり返されているのではないか思って、私は彼女に過去に退行してもらいました。彼女が発見したことはこうでした。彼女は17世紀フランスでのある若者の生涯を思い出しました。彼女はルイ14世の宮廷で、小話やジョークを語る芸人でした。ある夜、酒を飲んでいる数人の王の取り巻きに呼び出されて、彼らを楽しませるようにと言われました。彼が小話やジョークを語ると、彼らは笑い転げて拍手喝采しました。彼は勇気づけられ、その反応に気をよくしました。彼は得意になって、相手の友情を勝ち得たと思ったのです。彼らは酔っぱらっており、彼にもワインを勧めました。しばらくすると彼は激痛を感じ、彼の苦しみを彼らが笑っているのを見ました。相手が自分に毒を盛り、彼が死ぬのを笑いものにしていることに気づきました。彼は相手が本当に自分の芸を楽しんでいるのだと信じていたのです。死ぬ前に、彼は深く裏切
られた屈辱感を持って、二度と再び誰かを信頼したり警戒を解いたりはしないと、心に誓ったのです。

このクライアントは、自分が今もなおその誓いと、もし自分を表現したら再びこうなるに違いないという恐怖とともに生きていることを知りました。

■ガタサンサ: 私たちはなぜ過去をくり返すのでしょうか? それに代わる方法はあるのでしょうか?

●リーラ: それは重要な質問であり、そしてそれこそが瞑想のすべてなのです。
「ユニティインスティチュート」では、私たちはみなさんにその瞬間にいること、自分自身と私たちが生きる多くの次元に気づいていることを教えています。
私たちは、みなさんが自分の天分や才能、そして自分の本質と接触する手伝いをしています。みなさんは自分がそれまで気づいてすらいなかった知性や創造性の表現を持っていることを発見します。これはみなさんのエネルギーや気づきを大いに増大し、その瞬間に中心を据えることを可能にします。その瞬間にいることが多くの実践的な意味で自分の人生を変容することを、人々は発見しています。
ひとつには、過去の体験によって人生を生きることから、あなたは解放されます。
気づいていないときは、今ここに触れ、自分の体験、特に苦痛に満ちた体験に接触すると、私たちはマインドにかじりつきます。これらの無意識の記憶は、私たちの考え方や感じ方に影響して、転生を通じて自分が運んできたエネルギーのパターンを形成します。私たちは、現在の人生の現実に合わないことをしたり感じたりし始めます。私のクライアントの場合は、彼女の深い無意識のなかで、もし職場で自分を表現したら自分はひどく傷つけられるに違いないという不合理な恐怖を持っていました。それはあたかも、400年前に存在していた人間の目を通して職場の人々を見ているようなものです。彼女は自分の現実の人生を正確に見ていないのです。

■ガタサンサ: それらの体験に気づくようになると、それから自由になるとおっしゃっているのですか?

●リーラ: そうです。気づきは暗い部屋のなかで明かりをともすようなものです。
私たちの気づきの光がぼんやりしていて強くなければ、私たちのマインドは過去からの無意識の記憶で満たされ、それが私たちの生の流れをブロックします。
明かりをともした瞬間、たとえ長いことそこが暗闇だったとしても、すべてが明瞭になり始めます。過去の記憶は、気づきのない暗闇のなかにしか存在しません。

テクニックとハートの愛に満ちた気づきを使うことによって、あなたは無意識のパターンが形成された過去世を思い出し、それに目を向けることが暗闇を一瞬で消滅させる明かりなのです。私のクライアントに話を戻すなら、この過去世に気づいて以来、それは彼女に深遠な解放をもたらしました。彼女は初めて本当にその瞬間にいることができるようになりました。自分が発言して意見やアイディアを分かち合っても、職場で誰も本当に自分を傷つけたりはしないことを、彼女は理解できました。この恐怖が職場での自分の本当の状況を見る邪魔をしていたことを、彼女は認識しました。これが彼女に新しい自由を与えました。彼女は自分が非常に変わって、より確信に満ち、表現するようになったと報告してくれました。

■ガタサンサ: 自由になるためには、自分のすべての転生に気づく必要があるのですか?

●リーラ: いいえ、一度ひとつの状況で明かりをともすと、何世紀にもわたって瞑想の導師たちが今ここと呼んできたものに、あなたは気づき始めます。あなたがこの瞬間に生きていれば、あなたの人生はもはや過去の体験によってコントロールされません。過去の記憶はあるかもしれませんが、その記憶が視野を曇らせたり、あなたが感じたりしたりすることに影響することはありません。

■ガタサンサ: 「過去世」のグループでは具体的にはどんなことをするのですか?

●リーラ: 私たちはハートを開く瞑想から始めます。過去世の探求全体は愛に満ちた気づきの雰囲気のなかで起こります。この雰囲気は非常に滋養と癒しに満ちているので、どんな記憶が浮上してきてもそれはすぐに癒され、過去において行き詰まったどんなエネルギーも、解放され活気づきます。

参加者には、自分がより大きな自由と流動性と動きを体験したい人生の問題を選ぶ機会が与えられます。

私たちは参加者が自分の過去世に戻って、その問題に関係する記憶を見られるように優しくガイドします。

それから私たちはサトルボディ・ヒーリングで開発したテクニックを使って、その記憶から痛みやトラウマや感情を削除して、その記憶が単なる記憶として残るようにします。滞留していたエネルギーのパターンが消滅して、参加者はより多くの動きと活気と流動性を持ち、人生に調和がもたらされます。

■ガタサンサ: 誰でも過去世を思い出せるのですか?

●リーラ: はい。実際、私たちが発見したところでは、一般的に日本の人々はより簡単に過去世を思い出せるようです。それはその文化の中に、人生が多くの転生を通じての進化と旅であるという理解があるからでしょう。また、世界中の多くの人々は、自分が以前住んだことがある場所を訪れたり、以前知っていた人に会ったりすると、自然に過去世を思い出します。ときにはそれらの記憶はヴィジョンとして回想されたり、ときには単なるフィーリングであったり、たまには、ただその人にそれが分かることもあります。それらの記憶の多くは楽しいものです。ときには隠れていた自分の才能や能力に目覚めることもあります。たとえば、音楽、絵画、ビジネスの才能などです。そうでなくて、それらの記憶が苦痛に満ちていることもあります。

■ガタサンサ: 苦痛に満ちた記憶の対処方法について、もう少し話していただけますか?

●リーラ: はい、ときに苦しい記憶の場合もありますが、多くの記憶はニュートラルであるか非常に楽しいものです。苦しい記憶を持っている人のときは、私たちはいつもそのプロセスにハートの癒しのエネルギーをもたらします。これはその苦痛を大いに減少させ、あまり恐ろしいものにしないので、苦痛はすぐに消え去って、新たに発見された自由の喜びによって置き換えられます。

私たちはまた、私たちの過去の苦痛に満ちた体験に対して自分自身や他人を許すプロセスを通り抜けます。許しを通して、誰もがハートの中の慈愛の力を発見し、それが過去を手放すのを助けてくれます。

■ガタサンサ: 自分の過去世を探求することが役に立つ特定の困難というのはありますか?

●リーラ: 過去世を探求して思い出すことは、人生で体験するあらゆる困難な状況に役立つことができます。伝統的には、それは恐怖症や感情的なトラウマの癒しや、ネガティヴで制限的な態度を変容するために使われてきました。先ほど言ったように、特に隠れた智慧や才能の回復に役立って、この生涯でその能力を使えるようになることがあります。自分の内なる資源と知性のすべてが使えるのはすごいことです。今日の世界は非常に速いペースで進化しており、繁栄するためには、私たちは自分の在り方や行動に関する社会の古い規範から自由になる必要があります。そのひとつの明瞭な例は女性の役割です。人類の長い歴史全体と比べれば非常な短期間で、女性の役割は劇的に変化しました。男性の役割も変化しており、さらに変化する必要があります。これが与えるより大きな自由をさらに助長する必要があります。というのはこの新しい自由を生きることであなたの知性は挑戦を受け、また多くのレベルで成長するからです。

過去世を思い出すことは、富士山の頂上に立って周囲何百キロもの光景を展望するようなものです。あなたは自分の生命のあらゆる動きと進化を見て、非常に深くまた意味深いレベルで自分を理解するに至ります。あなたは人生が多くの峰や谷を通って自分を運んで来たこと、人生が、男性となり女性となり、金持ちとなり貧乏人となり、強者となり弱者となりして、両極の間を揺れる大きな振り子のようなものであったことを理解します。この頂上において、あなたは自分の根本的本質、これらすべての生の異なる表現を含む無時間のものであることを発見します。この生の豊かさが自分の手の届くものとなって、あなたは生命のバランスのなかに調和するのです。