講師インタビュー/独自の人生を生きる


独自の人生を生きる

プラサード&アルヴィナ

■インタビュアー: 長所とは何ですか?

●プラサード:長所とは、誰もが持って生まれついたものです。それはユニークで、特別な、私たちの美点の表現です。自分が得意なことをするのは自然で簡単なことで、ほとんど呼吸のようなものです。自分が非常にユニークで貴重なものを持っているのを見過ごしやすいのは、そのためです。
仕事で使う知識やスキルのような、自分が教育を通じて懸命に努力して達成したものは、私たちはたやすく認識して評価します。長所は違います。長所は自分の中にすでにあるものであり、それが私たちの能力の源泉なのです。長所によって私たちは学ぶことができ、また自分が知的に獲得した技能(スキル)を使えるようになるのです。この急速に変化しつつある世界では、技能はしばしば短命ですが、長所は常にそこにあって強くなっていきます。自分の長所につながっていれば、私たちは必要に応じてたやすく新しい技能を身につけることができます。

■インタビュアー: 長所と技能の違いを明確に定義する例をあげていただけますか?

●アルヴィナ:分かりました。ひとつの良い例は、今日多くの仕事で要求されるコンピュータ技能です。しばしばコンピュータを使うことの一部はタイピングの技術を学ぶことで、それからさまざまなプログラムの動作の仕方についての情報を手に入れます。コンピュータ技術を学んで使用する上で役立つ重要な長所は、我慢強さ、細部に対する注意力、指示に従う能力、間違いを恐れず、またそれで落胆しないことです。その他の長所としては、好奇心、配慮、根気、助けを求める能力や必要な情報を探す能力、などがあるかもしれません。そのほか、ものごとを軽くするユーモアのセンスや、ストレスの多い状況の中でリラックスしていられる能力もあります。

今日の世界では、技術の改善が急速なために、コンピュータ・プログラムが変化して、人が持っている知識が時代遅れになる可能性があります。その人の長所は、新しいプログラムを学ぶのに必要な知識や技術を身につけることを可能にします。また、たとえ技術の進化が大きすぎてある人の仕事が必要なくなった場合でも、その人の長所は別の仕事にも対応できます。長所が認識されたら、コンピュータのために使われていた長所が、別の雇用主にとっては非常に魅力的に映ることを理解するのはたやすいことです。

■インタビュアー: 誰かが自分の長所を認識して評価するのに、それがどのように役立つのですか?

●プラサード: 長所はその人の本質的部分です。それを認めることによって、より自分自身につながった感じがし、より多くのエネルギーが手に入ります。それは自分自身の強みからそのエネルギーを調達できるからです。これはあなたに自然な自信を与え、現在の変化し続ける世界についていける能力を与えます。あなたは熱中を感じ、人生の困難な課題に対処する内なる資源を持っています。言い換えると、自分自身に快感を覚え、自分の能力に安心を感じるのです。

もし自分の技能に着目するだけで、自分の長所に注意を向けなければ、技能は簡単に時代遅れになる可能性があるため、あなたは不安を感じやすくなります。あなたは仕事を失う心配をして、自信を喪失するかもしれません。一方、自分の長所を高く評価すれば、それはさらに磨かれます。なぜなら、人が注目して高く評価するものは、成長してさらに強くなるからです。自分の長所を高く評価することで、あなたは自分が自分の最大の財産と資源であり、自分を繁栄に導くことができるのは自分の長所であって、単なる技能ではないと認識します。長所はけっして時代遅れになりません。実際は、まさにその反対です。長所においては、成熟するにしたがって、あなたはさらに賢く、より知性的になります。あなたは自分自身を信頼し、もし別の仕事に移ったり、別の生業で生活する必要がでてきたら、自分にはそれをできると確信しています。

■インタビュアー: 長所を評価することがその人の個人生活でどのように役立つのかについて、もう少し話していただけますか?

●プラサード: 私たちは単に仕事で長所に依存しているだけでなく、人生のあらゆる領域でそれを必要としています。たとえば、もしあなたが人の言葉を聴くという長所を持っていてそれを評価していたとしたら、その能力は成長してあなたの個人的関係性を豊かにしていきます。子供たちは自分の言うことを聴いて理解してほしいのです。恋人は話を聴いてほしいし、それによって愛されていることを感じます。また、友人はしばしば、本当に話を聴いてもらえる相手がいるのは、頭を整理して何かをもっと深く理解しようとするとき、とても助かると感じています。

人の話を聴くという自分の長所を提供することで、あなたは他人の感謝や愛を受け取るだけでなく、人に喜びを与えたことで豊かにもなります。人と親密に関係すれば、誰もが異なる長所を持っていて、それを与えてくれます。自分の長所や他人の長所を評価することは自分を養う栄養になり、また愛し愛される能力に非常に寄与します。人との関係では、単にその難しさにでなく、むしろ自分の長所に焦点を合わせることが、満たすべき基本なのです。

■インタビュアー: 「独自の人生を生きる」のセミナーではどのように参加者をサポートし、その人自身の長所が何かを見つけてもらうのですか?

●アルヴィナ:私たちは特別のテクニックでセミナーを開始します。それによって参加者の直感的能力と知覚が開かれるので、内面に目を向けて自分の長所が認識できるようになるのです。これは重要なステップです。というのは、大部分の人々は自分の長所に注意を払わずに、自分が得意でないことにだけ注意を向けるように教わっているからです。私たちは参加者が本当に目を開いて自分の真の本質を見つけ、その長所が成長して表現されるように手伝います。自分の長所が何かを理解したら、人はたやすく人生における自分の場所を、さまざまなレベルで生き甲斐のある場所を見つけることができます。

また私たちは、長所を認識して評価することを邪魔してきた障害を解放する有効な方法に働きかけます。大部分の人々には、長所を評価して表現することに対する3種類の障害物があります。第1のタイプの障害は、その人が持っているのが、たとえば、我慢強さや細部への注意力といった、自分で気づいてはいても、それを評価していないような長所の場合です。その人は、それが自分の人生に役立っていることを知ってはいますが、それを何も特別なことだとは思っていません。また、忍耐心や細部への注意力は自分にとってあまりにも自然で簡単なために、その人は誰もがそういう資質を持っていると考える傾向があります。それは事実ではないのですが。このためその人は自分を尊重できず、長所を持っている喜びを感じません。

2番目の障害は、自分でもぼんやりと気づいており、またその長所が価値のあるものだと知ってはいても、それを使ったり発展させたりすることを恐れるような長所を持っている場合です。そういう人たちがその長所を引っ込めてしまう理由のひとつは、自分がその長所を全面的に表現した場合の、他人の嫉妬心や競争心に対する恐れの可能性があります。たとえば、ある人が教えることに秀でていて、その長所を表現したら学校で天性の教師として異彩を放つような場合、より平凡な教育技能しか持たない他の先生たちを嫉妬させるかもしれません。

長所を引っ込めるもうひとつの理由は、他人にそれを利用されて、自分がその長所を表現することだけに終始し、他の長所を表現できるチャンスがなくなるだろうという恐怖です。

たとえば、他人を思いやるという長所は、人生や仕事の多くの場面でこの上もなく貴重なものですが、他の人たちに利用されて、酷使されるというのはありうることです。

このような例ではどちらの場合も、私たちは参加者が自分の長所を高く評価し、その人たちが新しい強さの中で自立して、自分の強みを当人が尊敬されるような方法で使うように手助けします。彼らは自分が望むときそれを楽しむために自分の長所を表現できますが、もはや他人がそれを利用することは許さなくなります。この強さと自信があれば、人は自分自身でいて、他人の嫉妬やジャッジをさほど心配しなくなります。

3番目の障害は、人が自分で認識していない長所や、あるいは自分がそれを持っていることすら知らない長所を持っている場合です。その長所は隠された宝物のようなもので、生涯それが埋もれたままになることもありえます。そういう場合はしばしば、その隠れた宝物を理解して、それを指摘してくれる誰かが必要です。私たちの長所と教師としての技能の一部は、セミナーの参加者一人ひとりが自分の長所と真の潜在能力を認識するのを手伝うことです。

インタビュアー: セミナーについてあなたがおっしゃることを伺うとワクワクしますね。参加者がセミナーで学んだことを日常の生活の中で実際にどのように使えるのか、それについて話していただけますか?

●プラサード: 最初に申し上げたいのは、今日多くの人々が直面している共通の問題についてです。職場で、人々はしばしば緊張とストレスを感じます。これに寄与している別の要素もあります。ひとつの重要な要素は、仕事をうまくできないかもしれないとか、雇用主や顧客の気に入らないかもしれないという心配です。気に入られそうにないというこの同じ感じは、個人的な関係でも起こりえます。この「気に入ってもらえない」という考えは、現在の伝染病になっていると私たちは思います。

私たちの観点では、この考えとそれが生みだす緊張とストレスは、人が自分の長所につながっていない結果です。長所というのは人の本質的な性質の一部であり強さの源泉であって、もしこれに気づかずそれを評価しなければ、この重要な源泉から人は切り離されるのです。

セミナーで私たちは、広範な状況において利用できて、参加者が自分の長所につながることができるような実践的ツールを提供します。たとえば、職場であなたがある仕事をしていて、時々ストレスを感じたり自分がうまくできないと思っているとします。このセミナーで学んだツールのひとつを使えば、あなたは自分の注意を、緊張や心配からその瞬間に自分が表現できる長所へと移すことができます。ちょっと時間をとって長所を認識し評価してから仕事を継続すれば、自分のあらゆる資源を使って自信をもって仕事できるのです。

このセミナーは途方もない突破口と推進力を生みだします。参加者がセミナーで受け取ったツールを使い続け、その長所を継続して発展させるのを支援するために、私たちは電話で個人的またグループでのコーチングセッションを提供しています。これらのセッションは、あなたの人生に大きな違いを生みだすことができます。

■インタビュアー:c 参加者が他の人々の長所を認識するようにも、教えることができるのですか?

●アルヴィナ:はい、セミナーではそれをしています。他人の長所を理解することを学ぶのは、現在のビジネスの世界だけでなく、個人的な関係性においても必要不可欠のことです。大部分の職場の複雑な状況の中では、人々はしばしばチームで作業をしたり、同僚といっしょに仕事をする必要があります。他の人との共同作業で成功するためには、ともに仕事をする人々の長所を認識して、それを承認する能力は非常に有益です。これによって人々はそれぞれの長所をいっしょに混ぜ合わせ、仕事の一部である多くの挑戦課題に対してより効果的にまた創造的に対処できるようになります。また、人事部長、雇用主、管理職の人たちは、いっしょに仕事をし指揮をする相手の、技能や知識だけでなく、長所も見極める必要があります。

長所を認めることが仕事の上でどれほど役立ちうるかを理解するのはたやすいことですが、関係する相手の人々の長所を認識すれば、あなたの個人的な関係も豊かになるのです。あなたが愛する人や友人の長所を理解していれば、あなたが言葉に出して言わなくても、相手は自分が理解され、評価され、尊敬されていることを感じます。相手の人は、あなたが相手を見るその見方に、その声の中に、彼らに話しかける話し方の中に、あなたの行為の中に、お互いの尊敬と賞賛の雰囲気の中に、それを感じるのです。長所を理解していることは、すばらしい調和の感覚を生みだします。自分がその美点において理解され評価されていると感じるとき、人々は自然に輝き、さらにエネルギッシュに明るく光を放ちます。大部分の人は、それが評価の雰囲気の中で歓迎されたとき、実際は自分が持っているものを与え、分かち合うことを望んでいます。この「長所(メリット)」セミナーでは、あなたが自分の中にその雰囲気を持てるように助け、あなたが自分自身を理解し評価するその感覚に頼って、自分のまわりに温かい歓迎の雰囲気を生みだし、他人にも広げ、その人たちの中の美点を理解して評価するようにと、伝えています。